楽をしてやる勉強法 パート4
前回は集中できる時間帯について、お話ししました。
すでに紹介したパート1~パート3の方法を忠実に実践していただければ、楽に勉強をすることができると思います。
今回は、さらに集中できる時間を作り出すテクニックを紹介します。
集中力がないことを悩みに持つ人も多くいますが、今回紹介するテクニックを駆使すれば、誰でも集中力を高めることができます。
スポーツでも使えるような知識も含んでいますので、部活動生もぜひ参考にしてみてください。
テクニック1:制限時間をつくれ
パート1~パート3でも言っているのですが、勉強は長時間やろうとしてはいけません。
長時間やろうとするから、「夜に回そう」とか「とりあえず後でやろう」という考えが生まれて、効率が悪くなります。
最近、日本でも残業を減らそうとする企業が増えてきていますが、残業ありの時よりもかえって企業成績が上がっているケースも多くあります。これは、勤務時間までで、仕事を終わらせようと集中するためです。
極論を言えば、朝でその日にすべき勉強をすべて終わらせてしまうのが理想的です。
「長時間の勉強をやらない」ということは、鉄則ですので、頭に入れておいてください。
(遊ぶ予定なども組み込んでおき、強制的に制限時間を作るというのも有効的です。)
また、ストップウォッチを活用した勉強法もおすすめです。
理由は次の3つの法則を活用したいためです。
① 始まりと終わりに集中する。
② 最大の集中力が保たれるのは大体15分くらい。
③ 集中力が切れる前に休憩したほうが効率がよい。
夏休みの宿題を思い出してください。皆さん締め切り間際に集中して終わらせていると思います。
また、3日坊主だったけど、最初にめちゃくちゃ集中して何かをやろうとした経験がある人も中にはいるのではないのでしょうか?
それは始まりと終わりに集中する人間の心理法則です。
例えば、30分勉強するときに、30分を1セットと考えたならその法則は1回しか使えません。しかし、15分×2セットと考えた場合、その法則が2回使えます。単純に考えて、集中力が2倍になります。
また、人間の最大の集中力が保たれるのは、15分くらいといわれています。(人によって個人差は多少なりとも存在しますが・・・)
勉強法の1つで「25分勉強+5分休憩」というものがありますが、15分最大に集中して、10分くらいしたら、集中力が途絶えてくるため5分休憩ということであると考えられます。
私個人としては、25分より15分のほうが一口サイズだから、取り掛かりやすいので、
「15分勉強+5分休憩」を採用していますが、とにかく短い時間で区切って、勉強をすることが大切です。
さらに、集中力を持続させるためにも、休憩してください。集中力が70パーセントになったら、休憩して90パーセントに戻すという具合に、疲れてしまう前に休憩をするということが大切です。(脳の適切な休憩法については後に解説します。)
そういった面から、時間を管理して勉強することは非常に有効です。ぜひストップウォッチなどを活用して勉強を行ってみてください。
テクニック2:とにかく作業を始めろ
人間には作業興奮(作業を始めれば集中してしまう)という性質があります。
勉強をしたいなら、とにかく作業を始めてください。
そのためには、パート1やパート2で紹介したアフォーダンスやツァイガルニク効果をふんだんに活用して、「勉強できる準備をしておく」「あえて、途中で課題を終わらせておく」などの工夫をしておくとよいでしょう。
また、TO DOリストに1日3分以内で終わる課題を書いておくのも有効です。
そうすることで課題をするハードルが下がり、勉強に取り掛かりやすくなります。
テクニック3:頭を空っぽにしろ
集中状態=頭の中が空っぽの状態
そもそも、人間は、複数のことを処理することが苦手です。仕事が速い人というのは、いくつもの仕事を同時に終わらせているようで、実は1つ1つを完了させてから次の仕事に向かっています。
複数のことを考えないで済む=頭の中が空っぽ=集中できる
ことが成り立つのです。(TO DOリストを使う理由の1つもここにある)
頭を空っぽにするテクニックで一番使えるのは、書き出してしまうことです。
これは、ツァイガルニク効果の応用で、「完了させたものは忘れやすい」という効果を利用したものです。勉強するときは、メモ帳などをそばに置いておき、雑念などを書き出してしまうことが大切です。
TO DOリストを使う主な狙いもここにあり、やるべきことを書き出すことで、頭をできるだけ空っぽにしているのです。
また、「休憩をすること=頭を空っぽにすること」ということを肝に銘じておいてください。
休憩として、TVや漫画を見ることは適していません。余計な情報が頭に入ってしまって、頭の中が散らかってしまうからです。
(ちなみに、朝からTVを見る人は、そういった観点も踏まえて、かなりの損をしています。)
娯楽も大切ですが、TVや漫画を見たときに、その日の勉強はゲームセットと思ってもらって構いません。(見るなら、夜のリラックスタイムがおすすめです。)
では、どういった休憩が適しているのかをまとめました。
「短時間の休憩の場合(5分くらい)」
① 姿勢を正して深呼吸
5秒鼻で吸って、3秒息を止めて、8秒口から吐く。
② 3サウンド法
目をつぶって3つの音を探す。
③ 1点集中
1点を、息を吐きながら5秒見つめる。
④ 軽い運動
体を動かしている部分の感覚を確かめながら行うと非常に有効。
⑤ 眼球運動トレーニング
ビジョントレーニングともいう。目を動かすことで、目の疲れをとる。
両手の親指を立てて、交互に見つめる。
「中休憩(1~2時間くらい)の場合」
① 軽い運動
ジョギングなど。体の動いている部分を意識しながら行うのが有効。
② 腹がいっぱいにならない程度の食事
「食事後は眠くなる」というのが一般的ですが、食事が直接的な原因でなく、腹いっぱい食べるという満腹感が原因である可能性が高いので、たくさん食べすぎないことに注意してください。また、食事はよく噛んで、食べているときの感覚を意識しながら、食事を行うと有効です。
(初めて見るものを食べるつもりで食事をするとよい。)
③ 仮眠
昼間に30分程度仮眠をとると、その後の作業効率も上がり、さらに健康にも好影響を与えます。しかし、仮眠は、遅い時間帯に取ったり、1時間以上とったりすると悪い影響を与えてしまうので、あくまで、昼間に30分くらいを心掛けてください。
ちなみに、中程度の休憩を行った後の勉強では、場所を変えて行うのがおすすめです。
(パート3参照)
また、集中力を高める際に大切なのは、姿勢です。
立ったまま勉強をすると効率が良いともいわれていますが、それは、立った状態のほうが座っているときよりも姿勢が良くなるからです。
呼吸は、鼻呼吸のほうが良いです。集中力の観点もありますが、健康や睡眠の質の改善にもつながります。鼻呼吸をするためにも姿勢を正すことは必要です。
正しい姿勢は、「鎖骨の付け根を手でもちながら、息を吸って、吐く」だけで、できます。
ぜひ、実践してみてください。
パート4までで、勉強への取り組み方や方法を記してきました。これらの方法を駆使できれば、かなり勉強を楽に行うことができるようになると思います。
しかし、ここまでで紹介したのは、「どうやって勉強に取り組むか」ということです。
楽に効率よく取り組む方法は伝えましたが、具体的に「どのように勉強すべきか」は、伝えていません。同じ勉強効率で、同じ勉強量を行っているのに、成績が雲泥の差ということはよくあります。
今の状態を野球で例えるなら、素振りの練習を毎日できるようになっただけです。正しい方法で素振りをしなければ、上達は望めません。
次回は、「どのように勉強すべきか」を伝えていきます!
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